タンチョウSL

鶴居村から帰ってきました。
羽田に着いてまず最初に思ったことは、
「こっちは暖かいな~」と。
でも後で聞いたら関東では平年よりかなり寒い日だったとか。体が北海道仕様になってしまったようです。(^^;
今日あたりはもう慣れて???しっかり寒く感じるようになりましたけど。

今朝猫広場に行ったら、寝床から出て来た猫たち、寒そうでした。
空は真っ先に膝の上に乗ってきてそのまま1時間動かず。せっかく「お土産」買ってきてあげたんですが、そっちにはあまり見向きもせずにスーピー寝てました。ちょっと拍子抜け…。まあ、おかげで温かかったですけど。(^^;

さて鶴居村。
私が滞在した期間は最高気温は高い日で+3℃、低い日で-2℃ほど。平年よりやや低いかな、という感じ。着いた日の午後にはもう体が慣れて気温がプラスだと「暖かいな~」と感じるように。厚着しているせいもあるんですが。

最初の三日間は好天で雪もまったくなく、一面枯色の風景。
タンチョウたちは給餌場にはあまり来ずに周辺の畑に集まって餌をあさっていました。雪が積もらないうちは土の中の小動物(ミミズなど)などが獲れますから、朝ねぐらから飛んで来たら夕方まで畑を歩き回って餌さがしというツルが多いですね。バックに見えているのは雄阿寒岳。

画像


この時期、撮影のメインはやはり早朝です。
12月初旬というのは、タンチョウがねぐらとなる川から給餌場や畑に飛んでくる時間と日の出の時間がちょうどシンクロしやすい時期。朝日の低い光を浴びて下り立つタンチョウの羽が逆光で美しく透けます。

画像


そして、夫婦での鳴き合い。
低い気温に吐息が白くなり、それが低い光を受けてかすかにほの赤く染まります。この「赤い吐息」見たさに全国からこの時期(海外からも)カメラマンがやってきます。

画像


とはいうものの、「タンチョウが来る時間と日の出がマッチングする」というのは、いつもそうなるというわけではありません。天候その他の条件に非常に左右されやすく、むしろ「見られるのは3日か4日に一度」くらいに思っておいた方がいいです。

画像


まず、雪や雨が降ったり曇ったりしたら朝日は顔を出しませんからダメ。さらに朝の気温が低すぎるとタンチョウは温かいねぐらの川からなかなか離れません。タンチョウがねぐらとする雪裡川はほとんど凍らないため水温のほうが気温より高くなります。その温度差が大きくなるとタンチョウも「出不精」になって飛んでくるのが遅くなります。さらに風の強さも影響するようです(体感温度が下がるからでしょう)。
これまでの経験から導き出したデータでは、気温-2~-9℃、無風又は微風で晴天というのがいいようですね。ところがなかなかこの条件に合う日というのはそう連日続いてはくれません。現に今回も気温が低すぎて(最終日の12/6朝は-17℃)、ツルが飛んで来たときにはもう太陽が高くなってしまって息に色がつかなくなってしまった日が何日か(それはそれで絵にはなるんですが…)。気温が上がれば吐息は見えなくなりますしね。
そしてこの後、1月・2月と厳冬期に向かうにつれてタンチョウがねぐらを離れる時刻は遅くなっていき、もっとも寒い時期には10時・11時になってやっと川から飛び立ちます。当然日の出とはマッチングしません。
「SL」とも呼ばれるタンチョウの吐息が見られるのは11月末から12月初旬の間のわずか10日ちょっとほどでしょうか…。
朝の撮影を終えて宿に戻って朝食。

画像


ネイチャーの撮影は朝夕がメインなので、日中はのんびりと散策と下見を兼ねてあちこち歩き回りながら軽く撮影。ちょっと立ち寄った林の中ではエゾフクロウの夫婦が休んでいました。

画像


そして夕方、給餌場や畑からねぐらに帰るタンチョウの姿を撮ります。
「夕暮れ飛翔」と呼ばれるこのシーン、これもけっこう運に左右されます。

画像


朝と同様に、その日の気温や風その他によってタンチョウの「帰宅」時間が大きく変わります。日没後の余韻の空の色がシルエット撮りにはもっとも向いていて美しいのですが、そのわずか15分ほどの時間に飛んできてくれるかどうかはまったく予測不能。ましてや飛行コースはその時のタンチョウの気分??によって変わるため、すっかり空の色が消えてから大挙して飛来なんてこともしばしばで。

画像


そうやってうまくいかないことも多いから飽きないんでしょうね。これは野生動物撮影全般に言えるコトでもあります。まあ毎回毎回うまく撮れていたらつまらない…かな。負け惜しみみたいですけど~。(^^;

画像


夜、仲間と連れ立って川で寝静まっているタンチョウたちの様子を撮影に行ってみました。
もちろん近寄ることは厳禁(冬季間、タンチョウ保護のため川岸は立入禁止となっています)ですので上流の橋から超望遠を使っての撮影です。

画像


このあたり、周辺には人家も街灯もまったくなく人工的な光は何一つありません。この日の月齢は13.5。満月の一日前です。月が正中するちょっと前の午後10時。気温は-5℃ほどとけっこう暖かかったですが…。
ふだん町中で暮らしていると「月明かり」がこれほど明るいものだとはなかなか実感できませんよね。
どこからかベートーヴェンの「月光」ソナタが聞こえるような…。

好天が三日続いた後、夜半から翌日にかけて鶴居村は大雪に。
それまでの枯色が一夜にして銀世界になりました。その様子はまた次回に。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 24

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!)

この記事へのコメント

2017年12月09日 14:02
お帰りなさい。
空ちゃんも草凪みかんさんのお膝の上で幸せですね^^
草凪みかんさんだから写せた一瞬。素晴らしいです。自然は大きいと改めて思いました。
ありがとうございます。(^^)
2017年12月09日 19:30
今朝は寒かったせいもあるんでしょうね、空はくっつきっぱなし。最近はミニ携帯カイロを持って行ってハンカチに包み、空が座るタオルの上に置いてやります。お母さんに言わせると「過保護」だと…。(^^;
ネイチャー撮影は一瞬を切り取ると同時に時間の移ろいを味わうのが醍醐味かもしれません。時計の針に追われる都会生活ではなかなかできないことですね。
2017年12月10日 00:44
白い息、羽根をひろげた姿、飛んでいる様子、どれもいいですね。
猫広場では、きっと首を長くして待っていたんでしょうね。
2017年12月10日 02:49
お帰りなさい。
またまた、素晴らしい成果が得られましたね。
逆光の羽の美しさ!赤い吐息なんて、初めて見ました!
いろんな条件が重なって、夢のような一瞬が得られるのね。空ちゃんも待っていた甲斐がある、というものです。
2017年12月10日 11:26
猫ねこネコさん
タンチョウの飛ぶ姿、正面、真横、後姿といろいろあってどれも好きですが、私が一番好きな角度はここに載せたやや斜め後ろからのシルエットですね。
ただこればかりはまったくの「ツルの勝手」ですから、なかなか思うようなコースで飛んできてくれません。だから夕暮れ飛翔の時は三脚なんて使えないんですよね~。

毎日ばらいろさん
お天気ばかりはどうにもなりませんからね。(^^;
いい条件の日は4日に一度くらい…だから1泊2日や2泊3日だとリスクが大きすぎて日程を長めに取ることになります。まあうまく条件が合わなかった日もそれなりに楽しんでますが。(^^;
2017年12月10日 23:58
空くんにとって一番のお土産はみかんさんの膝ですからね! 
天気予報とにらめっこしながら、鶴がくるのを待つんですねぇ しかも夜明け前に黄昏時、、、寒いなぁ
つくづくネイチャーカメラマンにならなくてよかったと(いや、なれないですけどね)思いますわぁ
先日の満月はスーパームーンでしたよ、十三夜でも明るかったでしょう
2017年12月11日 20:45
マーシャの乳母やさん
早朝と夕方。「寒いでしょう?」と仰る方多いんですが、実はそれほどでも。(^^;
確かに寒いといえば寒いんですが、厚着してますからねぇ~。しかもカイロ入れてるし。風さえ吹いていなければけっこう耐えられるものです。
ホントに明るかったですよ、十三夜。カメラ操作するのに何も苦労しなかったですし。

この記事へのトラックバック