黒い初心者マーク

こちらではもう桜が咲き始めました。今週末にも見頃になるのではと言われています。
片や北の道東でも、まだ雪が残っているとはいうものの着実に春の足音が聞こえているようです。
先日釧路の友人と電話で話したところ、鶴居村のタンチョウは亜成鳥と幼鳥を残してほとんど繁殖地に戻ったそうです。釧路湿原、別海、標茶弟子屈、野付半島、風蓮湖、厚岸浜中、根室半島…。
今日はまたちょっとツルの話を。

今鶴居村に残っているタンチョウはまだ自分の縄張りを持たない亜成鳥、それにこの春子別れをされた幼鳥。つまり独身者=若鳥グループです。

ところでこの「幼鳥」と「亜成鳥」。
幼鳥というのは昨年生まれの若鳥でまだ生後一年未満のタンチョウを指します。これはまだ今時期ならば見た目でわかります。首筋が茶色で↓いかにも大きくなったヒナというのが見て取れますから。

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ところがよく訊かれるのが「成鳥と亜成鳥の見分けがつかない。どこで見分けるの?」ということです。
そう、確かにこれは難しいです。

結論から言うと、翼を大きく広げてくれないと成鳥か亜成鳥かの見分けはつきません。
↓のような姿勢をしている時はまったくわからない。

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ちなみに「亜成鳥」というのはタンチョウの場合生後三年未満の個体を指します。タンチョウは一般に満三歳以上で性成熟が起き繁殖可能になります(もちろんあくまで平均値で人間と同じくオマセもいればオクテもいますが…)ので、満一歳までを「幼鳥」、一歳以上三歳未満を「亜成鳥」それ以上を「成鳥」と便宜上呼んでいます。
このうち幼鳥はさきほども書いたように一目でわかるのですが、それでは亜成鳥と成鳥の見分け方は…?

その前にタンチョウの体、特に翼の羽についておさらいをしておきましょう。
タンチョウは亜成鳥でも成鳥でも、翼を広げると両翼の端から端までの長さ(翼開長といいます)は230~240cmほどあります。人間の背丈よりはるかに大きい。

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翼についている羽は三段になっていますが一番下段の風切羽は外側から初列風切(10枚)、次列風切(16枚)、三列風切(6枚)と分かれていて、初列風切は白、次列および三列風切は黒です。

成鳥か亜成鳥かを見分けるのはこの初列風切を見ればいいのです。
ただ、初列風切はタンチョウが翼を広げないと見ることができないので、飛んでいる時かダンスしている時、あるいはケンカをしている時でないとわからないんですよね。

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上の写真はダンスをしている番。これはどちらも成鳥です。

下はやたらめったらあちこちにケンカふっかけている不良少年。(^^;
亜成鳥です。

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二つの写真のタンチョウの違い、わかりますか?
初列風切の羽の先をよく見てください。不良少年?のほうは端っこが黒いのがわかると思います。

そう、亜成鳥は翼の先や翼の外側(背中側と言うべきか)の上に黒い縁取りや斑点があるんですよ。
下の写真は亜成鳥が飛び立つ瞬間ですが、翼の上にも黒い斑点が見えますよね。

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この黒い斑点や縁取りはいわば「未成年」のシルシ。タンチョウの世界では「初心者マーク」といえるかもしれませんね。これは一歳・二歳と年齢を重ねるにつれて消えていき、二歳半を過ぎると羽先の黒い縁取りは消えて翼の上の小さな斑点だけになります。満三歳を迎える頃になると完全に初列風切は純白になります。

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↓成鳥と亜成鳥が並んで飛んでます。
もうどちらがどちらかわかりますよね?

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写真にするとやはりどうしても黒い縁取りがある亜成鳥よりも純白の羽先をもつ成鳥のほうが絵になるのでついついそちらを撮ってしまいますが…。

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ただこれから春を迎え、夏が近づくと彼ら若者たちも鶴居村を離れ、大人たちの縄張りの中を分け入って湿原で生きていかざるを得なくなります。時には追い散らされ、あちこちを放浪するうちにやがてパートナーとなる相手を見つけて自らのテリトリーを構え始める。それが二年かかるか三年かかるか…まさに「ツルそれぞれ」。
そう考えると黒い「初心者マーク」を背負った若鳥たちを応援してあげたくなります。

今年の初夏、また道東を訪れます。
その時にはそんな若者たちの生きざまをしっかり見ておきたいですね。

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この記事へのコメント

2019年03月27日 22:13
さすが お詳しいですね。
今回の解説で亜成鳥の区別はつきそうです、多分 
三才は 人にすると何歳くらいなんですか?
少年と書かれているから 15才前後かしら?
ひとなら まだまだ子供 甘えていますね。
自然界は本当に厳しいですね。
2019年03月28日 05:04
おはようございますo(*^▽^*)o~♪
ブログ読んでて凄く勉強になりました。
成鳥と亜成鳥の区別少し分ったような。
飛んでいる写真下が亜成鳥ではないですか❓
コマダムさんも書かれていますが
三才ってホントどの位の年になるんでしょう~
ツルだけではなく動物って親から離れて自立していかないといけないから大変ですよね。
私なんかまだ親のすねかじり状態なんですよ。
しっかりしなきゃです(^^ゞ
2019年03月28日 19:41
こんばんは。
なるほど~!
成鳥と亜成鳥の違い、よく分かりましたよ!
今度、鶴を見たら黒い縁取りや斑点を意識してみます♪
うちに来るのは番なので、成鳥ばかりですが…。そんな楽しみができました。
こちらは三月になってからの方が雪の日が多いですけど、地熱があるのですぐ融けます。まさに春の気配ですね。
2019年03月29日 13:43
見分けするのは、ぱっと見ただけでは分かりませんね。
まあ、人もそうですけど。
高校生にもなると、二十歳を超えたように見える子もいますし、まだ中学生のような子もいます。
青い空、白い雪、どちらも似合うタンチョウがうらやましいわ。
2019年03月30日 13:24
コマダムさん
猫は1年で人間年齢に換算すると18歳でその後1年経つごとに4歳プラスと言われますが、タンチョウの場合はおおよそ1年で12歳、その後1年経つごとに3歳プラスということでいいのではないでしょうか。つまり満三歳で人間でいうと18歳かと。あの「不良少年」は2歳鳥のようですから仰るように人間では15歳くらいかもしれませんね。

みるくっちさん
人間に比べると親が子を独り立ちさせようとするのは、どの野生動物でも早いですね。人間年齢で12歳前後で「子別れ」をする動物が多いです。
そのくらいから一人で生きてく術を身に着けていないと野生の世界では生き残れないのでしょう。人間社会と違って「弱者を助ける」という考えは全くありませんから。弱い者は滅びるのみ…それが野生の掟です。

TAMOさん
TAMOさんのとところはタンチョウの繁殖地になっているんですね。となると他の若鳥が入ってきても追い出される格好になるんでしょうが…もしはぐれ者のタンチョウが迷い込んで来たらよく見てみてください。たぶん十中八九亜成鳥でしょうから。

猫ねこネコさん
最近は人間でも若い人の場合はちょっと見ただけでは男女の区別がつかない人も多いですよね。年齢不詳の人も多いですけど。(^^;
高校生くらいが一番ギャップが大きいかな。確かにオマセとオクテでは年齢差5歳くらいあるように見えますよね~。
2019年03月30日 21:09
ヘェ〜 羽にマークがねぇ 初めて知りました
人なら「ケツの青い青二才が〜!」と言うところ
「羽の黒い青二才が〜!」になるのかな?
2019年03月31日 11:52
マーシャの乳母やさん
そうそう。(^^;
「羽の黒い青二才が~!」
って言われて成鳥に追い掛け回されてる若鳥、よく見ますよ。時々ムボーにも成長にケンカふかっけてる亜成鳥見ますが、99%負けてます。
というより翼畳んでいるから相手が成鳥だと気づかなかったのかも。(^^;

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