鶴居村のタンチョウおじさん

丘の向こうから昇る朝日。
この時期特有の空気の向こうに浮かぶオレンジ色の円盤。

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夜が明けたばかりの湿原ではタンチョウの番がゆっくりと朝のウォーミングアップ。

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湿原全体に響き渡るような鳴き声。雌が羽を広げ雄が後ろから近付いて交尾の態勢。

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まだ営巣するには間がありますが、春の訪れを着実に彼らは感じ取っています。

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朝の湿原の空気を満喫して宿に戻り、朝食を取ってからサンクチュアリへ。今日はいいお天気。

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もうカメラマンも少なくなったこの時期のサンク。給餌も来週いっぱいで今シーズンは終わりだそうです。
冬のタンチョウ撮影シーズンもいよいよ千秋楽。
そして…これも。

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厳冬期のサンクを訪れた方ならあるいはご存知かもしれませんね。
「タンチョウの舞・ひとり芝居」

「タンチョウおじさん」こと地元鶴居村にお住いの能勢さんが訪れる観光客の方々のためにタンチョウの一日を大きな身振りで紹介してくれるパフォーマンス。冬のシーズンの土日限定で行われます。

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およそ15分の「ひとり芝居」ですが、その熱演ぶりは見る人の目を引きます。タンチョウが朝ねぐらで目覚めてから給餌場に飛来し、夕方再びねぐらに帰るまでを大きな身振りと声で熱演してくれます。

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「ひとり芝居」というのは…能勢さんが演じるのはタンチョウだけではなく、それを撮りにやってくるカメラマン、給餌人、そしてネイチャーガイドの人々。その四役を独りで演じ分けるんです。どう演じ分けるかと言いますと、タンチョウの役を演じるときは赤い帽子(タンチョウの頭は赤いです)をかぶり、カメラマン役の時は黒い毛糸帽子、給餌人役は白い帽子、そしてガイド役は紺の帽子と帽子を取り換えながら役どころを変えます。

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鶴居村のもうひとつの冬の風物詩でもありました。
当年88歳、米寿を迎えられた能勢さんですが、その熱演ぶりを見るとまだまだお元気。

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もともとは釧路市にお住まいだった能勢さんですが、タンチョウの魅力に惹かれて鶴居村に転居。鶴居村役場にお勤めになり、退職後もタンチョウへの愛は変わらずボランティアでこの「ひとり芝居」を始め、鶴居村の観光アピールに大きく寄与されました。

余談ながら、タンチョウに魅せられて鶴居村に移り住んでしまった人ってけっこう多いんですよ。中には関東関西から移住してしまった人もいるくらいですから。

ところが昨日の釧路新聞に「鶴居村の能勢さん引退」の記事が。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/10670
私は昨日鶴居に着いたのが昼で、昼食を食べながら釧路新聞を読んでいて「え!?」と驚いた次第。今週末の公演が千秋楽になる旨、その記事には書かれていました。
つまり今日が最後の「ひとり芝居」になるというのですが…。
88歳というご年齢を考えるとやむを得ないのかなぁ、という気もしますが一方でまだまだお元気な能勢さんの姿を見るとまだまだできるんじゃないか、という気も。

「ひとり芝居」の最後は渾身の「タンチョウ三三七拍子」で締めくくります。
その力強い腕の振りを見ているとやはりまだまだお若い。

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そして「ひとり芝居」が終わると、観光客やカメラマンに一人ずつ、手作りの絵葉書を手渡してくれます。

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これ、すべて能勢さんの手書き。素晴らしい画才ですよね。

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しかも一枚一枚絵柄が違うんですよ!

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私はこれまでに10枚近くいただいていますけど全部絵が違う。

タンチョウを愛し、鶴居村を愛し、やってくる人々も愛してくれた能勢さん。
あの渾身のお芝居が見られなくなるのはすごく寂しいですね。
でもこれまで本当にお疲れさまでした。そして温かい思いをありがとうございました。

能勢さんは「ひとり芝居」の最後をかならずこの言葉で締めくくっていました。
「タンチョウよ、今日も美しい姿を見せてくれてありがとう。明日もまたきっとこの給餌場に帰ってきてくれ。待っているから」

まるでその言葉にこたえるかのように鳴きだし、

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そして舞うタンチョウ。

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彼らはきっとこう言っているでしょう。
「能勢さん、ありがとう!できれば来年もまたここに戻ってきてください!」

そう。新聞ではああ書かれていたけど…
実は来年の冬になったらまた能勢さんのあの明るいお芝居が見られるんじゃないか、そう思いたい。
もし…もし…一年たって「やっぱりまだできるわ」と体力に自信が戻ったら、またサンクに戻ってきてください。
私は待ってます!

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この記事へのコメント

2019年03月10日 23:47
こんばんは。
オレンジ色の朝日とっても綺麗ですね。
空気が澄み渡っているのが感じ取れます。
ツル達も別れを惜しむかのよに
歌っている声が聞こえてくるようです。
ひとり芝居の能勢さんお疲れ様でした。
お芝居しなくなってもきっと会えますよ。
能勢さんもみかんさん達と同じように
ツル達のことが気になるはずですから。
また、来年絵葉書がもらえるといいですね。
2019年03月11日 17:55
みるくっちさん
能勢さん、まだまだお元気です。
あのお芝居が見られなくなってしまうのはちょっと寂しいけど、健康第一でこれからもずっとお元気でいていただきたいですね。
タンチョウをこよなく愛している能勢さん。この村で暮らすことが健康長寿の秘密なのかもしれません。
2019年03月12日 00:30
こんばんは。
能勢さんの話は、初めて知りました。
そんな方がいらっしゃったんですね。
隣の町は近いようで遠いんだな~と思いました。
草凪みかんさんは最後の公演を見られたんですね。
絵葉書もすっごい素敵!
鶴への恩返しって新聞に書かれてましたね。
やっぱり感謝って大事なんですよね。また能勢さんの感謝はホント深い!
お体大事にしてほしいです。
2019年03月12日 07:18
TAMOさん
そう、鶴への恩返しと仰ってましたね。
それが能勢さんの一生を有意義なものにしたのではないでしょうか。本当に「感謝」の気持ちって大事なんだなぁ、と思います。そうすることができたのは実はタンチョウからも「鶴の恩返し」があったのではないかと。
昨夜の大雪でこちらも銀世界に戻りました。昼まで撮影して夕方の飛行機で帰ります。

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